*定年おじさんの遍路雑感 癒しの風景を探して (20日目)
宿のおばさんに、10番切幡寺への道をしっかり聞きました。気持ちよく出発とい きたいところですが、生憎、外は土砂降りです。意を決して宿を飛び出しまし た。 手袋や靴に少しづつ水が入ってくる感じは、気持ちよくありませんが、体中ずぶ濡れに なってしまえば、それもすぐに慣れてしまいます。おばさんの教え てくれた通り、ペタルを一漕ぎしたら、そのまま坂道を下って切幡寺までたどり 着いたような気がします。 山里の民家の庭先でレンギョやサクラが咲いています。山は新緑の準備に向け て銀色の芽を出し始め、雨に濡れて光って見えます。雨の中でもこんなに楽し ませてくれる風景です。晴れていたら、なおさらでしょう。 8番熊谷寺に寄り、行きに納め忘れた写経を納め、1番へと向かいました。途中 あの坂道にさしかかりました。足が痙攣して、1歩も前へ進めなくなったあの坂道で す。坂を下りながら、あの時、なにをそんなに急いで漕ぎ上がろうとしたのか と、可笑しくなってきました。坂道を上るコツも憶えた今見れば、さほど の坂道とは思えません。そう言えば、トップギヤ走行でも、心なしか足には軽く感じま す。 2002.3.27 1番札所 霊山寺お礼参り 今日も、大勢の新人遍路が境内を足早に行き交っています。結願したおじさんで すが、初日に見た閻魔大王の風格を身に付けたでしょうか。 まだまだ修行が足りません。
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