*定年おじさんの遍路雑感
癒しの風景を探して
     (22日目)

22. 何か 変っ

2002.6.1第29回更新

昨日、高野山の奥の院にお参りし、最後の納経を済ませました。そして、今朝、 宿坊の朝のお勤めに参加し、感謝のお参りをしました。これで、おじさんの21日間 にわたる自転車遍路は、全て終わりました。


2002.3.29
高野山 奥の院へお礼参り



2002.3.29
高野山 根本大塔


定年退職当初、病後の体力を回復させ、遍路に出たら、あれもしよう、こんな 目的で廻ろうと、色々考えていました。時が経ち、遍路本を何冊か読むうちに、 又インタ−ネットで遍路体験談や手記を探すうちに、段々考え方が変ってき ました。出発間際には、最終的に「八十八ヶ所を、最後までじっくり廻りきる」 ことだけを考えるようになっていました。
そして、札所から札所へと廻って行くその道中で、何かを掴み、何かが変るかも 知れないと思うようになったのです。最初から、見るもの掴むものを決め、結願 のあかつきにはこうなる、と、決め付けなくてもよいのではないかと、、、。
そして今日、「八十八ヶ所を最後まで廻りきる」ことは無事終わりました。


2002.3.29
南海高野線の車窓から 山桜を見る


道中、遍路雑感にも書いた通り、大きな自然に包まれ、多くの人に会い、話しま した。そして、沢山の人の情けを貰いました。 物理的にも、19日間で1400kmの距離を自転車で移動しました。
何かが変りました。
目で見える変化について、おじさんは帰宅後同年輩のメル友にこう書きまし た。
「○○様、、、、、、おっしゃるように四国は坂道が多く、帰ってきたら体重 が5kg、ウエストが5cm減りました。足は競輪選手に近づきました(これ は冗談ですが)。体調はすこぶる良好で、今では病後意識もなくなりました。、 、、、、」と。
このように外見上は確かに変りました。
その上に、気持ちの有り様も変ったような気がします。健康に対する「自信」 と言うか、病気に対する「潔さ」みたいなものが出てきました。何時までも 「病後意識」を持っていてもしようがありません。現にこうして、四国の山坂 1400Kmを走破出来たではないか。病後だからと気を使い、消極的な生活 を送るのはやめよう。罹ってしまった病気を悔やみ、何時罹るか分らない病気 にシュリンクしているより、今日一日が健康であることに感謝しよう。誰でも何 時かは病気になります。病気になるまでを元気に過ごそう、と思うようになり ました。
このように、自分自身に関わる変化は自覚できますが、その他に、多くの人との 関わりの中で自分がどう変ったのか、こちらは大きな問題です。すぐには結論が 出ません。
沢山のものを見、多くの人にお世話になり、教えられました。今は、それら がおじさんの身体の中に一杯に詰まった状態で、溢れ出しそうです。時間を掛けて 発酵させようと思います。そしておじさんが内面的にも変り、何時か何処かへ、貰ったも の以上のものをお返し出来ることを願っています。
家に帰って仏壇に向かい、感謝の報告をしました。留守を守ったお母さんにも素 直に感謝です。
拙い定年おじさんの遍路雑感に、最後までお付き合いいただいた皆さんにも感謝 致します。
まだまだ書き足らないことが山程有りますが、この辺で一旦「癒しの風景を探 して(定年おじさんの遍路雑感)」は終了したいと思います。
今後共、書き足らなかったことを思い出し、折に触れ、追加していきたいと思います。 写真についてもぼちぼち整理し、アップして参ります。 暫らく時間を置いて、又、覗きにきてください。お待ちしております。
掲示板でもメ−ルでも結構です。ご指摘、ご意見、ご感想等いただ けると幸いです。



2002.3.29
同行二人+二輪に感謝


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